骨盤とは?
骨盤はお尻の真ん中にある仙骨とその先にある尾骨、
そして、大きな2枚の寛骨が組み合わさってできています。
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腸骨(ちょうこつ)
骨盤の左右に1枚ずつ張り出している大きな骨。腰骨とも呼ばれ、手で簡単に触ることができる。
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恥骨(ちこつ)
骨盤の前側(アンダーヘアのあたり)にある、少し出っ張った骨。
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坐骨(ざこつ)
骨盤の一番底にある骨。イスに座ってお尻の下に手を入れるとゴリゴリと触れる部分。
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寛骨(かんこつ)
腸骨・恥骨・坐骨が骨融合した骨。
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上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)
腰骨を前にたどると、一番前にでっぱっている部分。
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仙骨(せんこつ)
骨盤の中心にある逆三角形の骨。
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尾骨(びこつ)
仙骨の先についている骨。
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大腿骨(だいたいこつ)
太ももの骨。
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靭帯(じんたい)※骨盤をつなぐ主な靭帯のみ描画
骨と骨を結びつけているゴムひも状の組織。骨盤の形を維持している。
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恥骨結合(ちこつけつごう)
左右の恥骨をつなげる部分。
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仙腸関節(せんちょうかんせつ)
仙骨と左右の腸骨をつなぐ関節。
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骨盤入口(こつばんにゅうこう)
赤ちゃんの通り道。骨盤輪とも呼ぶ。
骨盤は体の土台
体を家に例えると、背骨は大黒柱、脚の骨は杭。
これらを支える土台が骨盤です。
全身の姿勢を支える体の要
骨盤の上には首からお尻までひと続きの背骨、下には大腿骨があり、骨盤は体の中心にあります。直立二足歩行をする人間の骨盤は、上半身の重みと脚からの衝撃を受け止めています。
全身の姿勢を支える体の要、それが “骨盤” なのです。
骨盤の変化
昔は、赤ちゃんがお母さんのせまい骨盤の中を通るためには、
ホルモンで、骨盤まわりの筋肉やじん帯をゆるませることが必要でした。
昔の生活
妊娠すると、筋肉やじん帯をゆるめるホルモンが分泌されます。このホルモンを総称して「リラキシン」といいます。
昔は歩く・しゃがむ・立つといった動作や、飛んだり跳ねたりといった遊びが多く、日常生活の中で筋肉やじん帯が鍛えられていました。
そのため、出産に向けてリラキシンで骨盤まわりの筋肉やじん帯をゆるめて広げることは赤ちゃんが生まれてくるために大切なことでした。
現代の生活
生活様式の変化からあまり体を使わなくなった現代は昔と比べると筋肉や靭帯が弱くなっているので、骨盤がゆるみやすくなっています。
そこへ妊娠すると昔と同じようにリラキシンが働くため、骨盤がゆるみ過ぎてしまうのです。
骨盤の形
- ① 生まれたときは “類人猿型骨盤”
- ② 生活様式が変化したことで “女性類人猿骨盤” が増加
- ③ 出産時の理想的な骨盤は “女性型骨盤”
男性も女性も生まれたときは “類人猿型” の骨盤ですが、女性は成長と共に妊娠・出産に適した “女性型” に変化していきます。
しかし現代は、生活様式が変わり、子どもの頃の運動も減り、骨盤の形は成長しきらずお産をむかえる女性が増えてきています。
参考資料
- 第28回日本助産学会学術集会 ランチョンセミナー「骨盤ケアで改善!PART14」(2014.3.23) 鳴本敬一郎「女性骨盤は変化してきているのか」
- 第30回日本分娩研究会 スポンサードワークショップ「骨産道を診ていますか?」(2014.9.12) 鳴本敬一郎「骨盤の形態を決定する因子は?学童期~思春期の身体活動との関連」