現代の「イジコ」へ
丈夫な背骨を作る最大のポイントは、新生児期に背骨を伸ばさないこと。
そこで、イジコの良い部分を反映できる現代のイジコを開発しました。
商品開発のきっかけ、“まるまるねんね” の原型は「イジコ(嬰児籠)」でした
- イジコは、日本では70年ほど前まで全国のほとんどで使用されていました。(暑い沖縄などではハンモック)。
- その理由は、丸まっている新生児の背中を無理に伸ばさずに育てれば、農作業ができる丈夫な体の子どもに育つからだと伝承されています。
- 赤ん坊が機嫌よく静かにいてくれるので、農作業時なども近くに据え置くための道具として重宝されていました。
- 赤ん坊が機嫌よく過ごし、重労働ができる丈夫な子どもとなるためには、この寝かせ方が大切であると考えました。
現代版イジコの誕生
青葉では平成15年度より、現代版のイジコとして、トコちゃんの「すやすや籠」(廃番)をはじめとする商品を発売。
現在では、丸い姿勢をとりにくい赤ちゃんが増えてきたことから、生まれてすぐ使える産院用の院内専用「天使の寝床」を販売しています。
赤ちゃんをまるく寝かせると、よく寝ることが分かりました!
背中をまっすぐにして寝かせた場合(平面位群)と、“まるまるねんね” で寝かせた場合(ポジショニング群)で、5分後、15分後の赤ちゃんの熟睡度を比べた時、“まるまるねんね” で寝かせた赤ちゃんの方がよく眠るということが、名古屋第一赤十字病院の研究で明らかになりました。
正期産新生児に対するポジショニングの検討
平らなマット
ポジショニングマット(院内専用「天使の寝床」)
深い睡眠:規則的な呼吸・自発運動なし
浅い睡眠:目を閉じてわずかな自発運動
まどろみ:なかば目を開けて
覚醒:目を開けてわずかな自発運動
はっきり覚醒:活発な自発運動
啼泣(ていきゅう):声を出して泣く
※名古屋第一赤十字病院総合周産期母子医療センター産科 第54回日本母性衛生学会・学術集会にて発表 青葉NEWS2014年1月号より
参考資料
- 第51回日本母性衛生学会総会・学術集会 ランチョンセミナー「骨盤ケアで改善!PART5」(2010.11.5) 野澤昌子 妊娠中からの身体作りでハイリスク妊娠の予防を目指す地域活動の実際、竹内華子 「笑顔で楽チン子育て」を支援する発達教室
- 第34回日本母体胎児医学会学術集会 ランチョンセミナー「骨盤ケアで改善!PART7」(2011.8.27) 栗原芳美 当院における新生児ケアのご紹介