「矯正いらずの歯並び育児Ⓡ」をテーマに活動されている歯並び育児協会様では、赤ちゃんの背中のまるみを守る“まるまる育児”を将来のお口の健康を守るという観点からも、非常に理にかなったアプローチとして、ご紹介くださっています。
今回は歯科衛生士で歯並び育児®協会認定講師の佐々木そのか先生に、気になる歯並びのお話を伺いました!

佐々木そのか先生プロフィール

佐々木そのか先生 画像

歯並び育児協会認定講師/歯科衛生士/おひなまき指導士


【青葉】
佐々木先生が「歯並び育児®講座認定講師」として活動を始められたきっかけを教えてください。

【佐々木先生】
きっかけは上の子たちの歯並びが気になり、調べていくうちに
「歯並びは遺伝の影響もあるが、近年は環境や生活習慣の影響の方が大きい」
「5歳までなら器具を使わずに歯並びをきれいに育てられる可能性がある」

という事実を知ったことです。

私は「歯並びが悪くなったら矯正治療で治す」のが当たり前だと思ったまま、歯科衛生士として20年以上臨床の現場で働いてきました。
そして装置の痛みに耐えてきれいな歯並びになっても「後戻り」してしまう現実を目の当たりにしていました。
さらにお口や舌のトレーニングが上手くできない子が多いことに、頭を悩ませてきました。

上の子をきっかけに歯並び育児®を知りましたが、すでに時期を過ぎていたため上の子2人は矯正治療を選択し、当時5歳と3歳だった下の子2人に歯並び育児®を実践しました。
食事の環境、靴の選び方、姿勢、呼吸、睡眠など、生活そのものを見直す中で確信したのは「歯並びは、日々の体の使い方の結果である」ということです。

「土台である体が整っていなければ、いくらお口だけをきれいにしても戻ってしまう。」
臨床での違和感と母としての実体験が、ここで一本の線に繋がりました。

上の子の時にこのことを知っていればと、何度も後悔しました。
だからこそ、私と同じように後悔するママを一人でも少なくしたい。
上の子の矯正治療と下の子の歯並び育児®、その両方を経験したからこそ、歯並びは「治す」よりも「育てる」ことが重要だと実感しています。


【青葉】
歯並びはいつ頃から、どんなことに気を付けるといいのでしょうか?

【佐々木先生】
妊娠期:お腹の中にいる時からできること
「わが子の歯並び、いつから気にかけたらいいんだろう?」
そう聞かれると、多くの方は「乳歯が生えそろってから」「永久歯に生え変わる頃」を思い浮かべるかもしれません。

でも実は、きれいな歯並びの土台づくりは、お腹の中にいる時からすでに始まっています。

赤ちゃんのあごの成長には、お腹の中での過ごし方が深く関わっています。
赤ちゃんが背中を丸めた「Cカーブ」の姿勢でリラックスして過ごせると、羊水を飲んだり指をしゃぶったりといった「お口のトレーニング」をしっかり行うことができます。

この胎内でのトレーニングを十分に行えた赤ちゃんは、あごの骨が大きく育ちやすく、将来的に歯がきれいに並ぶためのスペースをしっかりと確保しやすくなるのです。

赤ちゃんがお腹の中でしっかりお口を動かすためには、子宮が広くて心地よいことが不可欠です。
お母さんが猫背だと子宮が窮屈になり、赤ちゃんの姿勢が悪くなってお口のトレーニングが十分に行えません。
また、お腹が張ると、赤ちゃんにとってはお部屋が少し狭くなり、のびのびと体を動かしにくくなってしまいます。
お母さんの体温が36.5度以上あり、冷えていないことも大切です。

イメージ_妊婦さん

新生児期:赤ちゃんの体を「まるい姿勢」で育む
生まれたばかりの赤ちゃんは背骨が丸い状態(Cカーブ)です。
平らな場所に寝かされると体が安定せず、緊張して体が反りやすくなるため、以下の点に気をつけましょう。

  • 背中の丸みに合わせた「くぼみ」のある寝床に寝かせると、赤ちゃんがリラックスして深く眠れます。
  • 首すわり前は必ず首から後頭部を広い範囲で支え、体がねじれないよう、まるく抱くことが大切です。
  • 寝ているときや抱っこのとき、あごが上がり「お口がぽかん」と開いていないか確認しましょう。


乳児期:毎日の経験が、きれいな歯並びを作る
動きが活発になる乳児期は、首すわり、寝返り、ズリバイ、ハイハイ、高バイなどの発達をひとつひとつ丁寧に経験させることが、将来の歯並びや噛む力に繋がります。

最近は体に緊張(硬さ)がある子が多く、それが向き癖やお口のトラブルの原因になることもあります。
お母さんの温かい手で全身を優しくなでてあげると、体の緊張が緩み、発達がスムーズに進みやすくなります。

また、体のゆがみを防ぐため、 抱っこも授乳も、いつも同じ向きにならないよう左右バランスよく行うことが大切です。

イメージ_赤ちゃん

幼児期:一生の健康を支える「正しい習慣」の定着期
幼児期は単に生活するだけではありません。
この時期に身につけておきたい大切な習慣をまとめました。

  • 姿勢(食事)
    椅子に座る際は「ひじ・ひざ・足首」を90度(直角)に保ち、足裏をしっかり床につけて噛む力を引き出す姿勢にしましょう。

  • 呼吸
    舌が正しい位置(上あご)にあれば自然と「鼻呼吸」になりますが、舌が下がると口呼吸になり歯並びに影響が出ます。舌を正しい位置に保つためには、ゆがみなくリラックスした姿勢を保ち、舌やお口周りの筋肉を鍛えることが大切です。鼻呼吸は感染症予防や深い睡眠にも繋がります。
  • 食事の仕方
    白米に雑穀を混ぜたり、食材を前歯で噛み切る大きさに調理したりして、自然と噛む回数が増える食卓を整えましょう。また、砂糖はできるだけ控え、味覚と情緒の安定を育てます。

  • 睡眠
    質の良い睡眠のため、真っ暗な環境で眠りましょう。胃腸の消化のために寝る2時間前までに食事を終わらせておき、寝る2時間前からはテレビやスマホも控えましょう。

  • 発達・運動・遊び
    ハイハイは体幹を鍛え、舌の正しい使い方を学ぶ最高のトレーニングです。大きくなってからも「ハイハイ遊び」を日常に取り入れ、一生の姿勢を支える体幹を育てましょう。
    現代のお子さまのほとんどが運動不足。全身を使ってたくさん遊んでいただきたいです。
  • 靴の履き方・歩き方
    足の骨が完成する6〜7歳までは靴選びが重要で、かかとをトントンと合わせてベルトをグッと締める正しい履き方が、全身の姿勢と歯並びを支えます。
    お下がりの靴は前の持ち主のクセがついているため避けましょう。


歯並びは日々の積み重ねで作られます。特別なことをしなくても、毎日の習慣できれいな歯並びを育てられます。


歯並びを育てる上で、“まるまる育児”が役立つポイントは?
インタビューの後編はこちらをご覧ください♪

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