「おしゃぶりをすると出っ歯になるかも」と不安に思っている親御さんは少なくないと思います。
実際、長期間おしゃぶりを強い力で吸い続けると、上下の前歯が噛み合わない開咬(かいこう)という噛み合わせの原因になることがあります。

しかし、おしゃぶりを使用することは決して悪影響ばかりではありません
実は、赤ちゃんが自分の体を守ろうとするサインである可能性があります。

そこで今回は、歯並びの視点から、おしゃぶりとの上手な付き合い方と、その背景にある「呼吸」の大切さについてお伝えします。

「なぜ吸いたくなるのか?」原因を探る

実は、おしゃぶりを吸うことは、赤ちゃんが「呼吸のしづらさ」や「体の不安定さ」から自分の体を守ろうとするサインである可能性があります。

例えば、舌が下がって気道が狭くなっているときは、吸う動作で舌を引き上げ、酸素を取り込みやすくしているのかもしれません。
また、体が緊張して不安定なときに、吸うことでバランスをとり、安心感を得ようとすることもあります。

自ら「呼吸のしやすさ」を確保してストレスから身を守っているのだとすれば、無理に取り上げるのではなく、まずは「補助がなくても楽に呼吸できる体」を整えてあげることが先決です。

おしゃぶりをしている間は必然的に口が閉じるため、実は鼻呼吸をサポートしてくれるというメリットもあります。

ここで知っておいてほしいのは、「そもそも口呼吸のクセがあるから、呼吸をしやすくするために何かを吸いたがっている」側面もあるかもしれないということです。
お口に何かを入れることで空気の通り道が確保され、呼吸を助けている可能性があるのです。

「お口に何か入っていると呼吸しづらいのでは?」と思われがちですが、実は逆なのです。
口呼吸よりも鼻呼吸の方が一度に取り込める空気の量が多く、体にとって非常に楽な呼吸法です。

鼻呼吸・口呼吸

自力で舌を支える力が弱いと、舌が喉の奥に落ち込んで空気の通り道(気道)を狭くしてしまいます。
何かを一生懸命吸うことで、舌の筋肉が上あごに引き上げられます。
すると、喉の奥にある空気の通り道(気道)が広がり、酸素をしっかり取り込めるようになるのです。

おしゃぶりをつっかえ棒のようにして、自力ではまだ難しい呼吸のスペース確保をしているのかもしれません。
この場合、単に無理やりおしゃぶりを取り上げても、根本的な解決にはなりません。


大切なのはおしゃぶりの「選び方」と「使い方」。
コラム後編はこちらをご覧ください♪


【執筆】
一般社団法人歯並び育児®︎協会認定講師
歯科衛生士
おひなまき指導士
佐々木 そのか

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