“まるまる姿勢”とは、お腹の中の環境を再現して、赤ちゃんの背中を丸く保った姿勢のこと。
生まれてからも「おひなまき」などで胎内と同じように背中を丸く保つことは、赤ちゃんにとって安心して、ぐっすり眠れる良い姿勢なのです。
“まるまる姿勢”で大事なポイントは3つ。
- 全身をまるく:首からお尻までがなめらかなカーブになるように背中を丸くする。
- 軸をねじらない:鼻とおへそをつないだ体の中心(軸)をねじらない。
- 手足をのばさない:足はあぐらの形で、手は指がなめられるように体の中心に揃える。
また、“まるまる姿勢”は自然な成長に合わせた筋肉や骨格の発達を促します。
ではなぜ“まるまる姿勢”が赤ちゃんの成長に良いのでしょうか?
それは、背骨の成長の仕方に関係しています。
大人の背骨
まず、大人の背骨がどのようになっているかをご存知でしょうか?
大人の背骨は横から見るとゆるやかなS字状にカーブしています。このカーブがあることで歩く・飛ぶといった衝撃を和らげ、重たい頭を支え、バランス良く歩くことができます。
赤ちゃんの背骨
一方、赤ちゃんの背骨はどのようになっているのでしょう?
赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいるときに“まるまる姿勢”で過ごします。
このとき背骨は“C”のようにカーブしています。(通称Cカーブ)
生まれた後もしばらくの間、背骨はCカーブをしています。
生まれたばかりの赤ちゃんは筋肉が柔らかく、重力に抵抗できるだけの筋力が備わっていません。
徐々に成長に合わせて筋力がつき、丸い姿勢を保って育った赤ちゃんはしっかりとした前カーブのある背骨に変化していきます。
まずは首すわりの時期です。
首まわりの筋肉が発達し、頭を支える筋力がつき始めます。首の骨も1つ1つ積み上がるようなイメージで安定していき、前カーブができていきます。
歩き始めるころには腰まわりの筋力がつき、腰の骨も安定し、前カーブができていきます。この前カーブは小学校を卒業するころには完成し、大人と同じように背骨全体のS字状カーブができます。
しっかりとS字状にカーブした背骨は、頭の重みや足からの衝撃を受け止め、分散させます。それにより、うまく重心を取り、バランス良く歩けるようになります。
だから、生まれてすぐからの“まるまる姿勢”が大切です。
首がすわる頃ぐらいまでは背骨をまるく保ってあげるのが理想的でしょう。